●京樽の由来
初代社長田中四郎が、まだ京都で割烹料理店を営んでいた昭和9年(1934)のこと、店で出す酒の徳利に、なにか工夫がないものかと考え創案したのが小型の杉樽で、この制作をしてくれたのは、四条縄手の名工「樽源(たる源)」さんでした。この小型杉樽の徳利は当時大変好評を博し、お店のシンボルとして親しまれました。 昭和13年(1938)に東京へ進出する際、独自の暖簾で店を出したいと考えた四郎が、自分の旧姓である京極の「京」と、樽源の「樽」をもらって名づけた屋号、それが「京樽」でした。 昭和29年(1954)には、社名も平安興業株式会社から株式会社京樽に変更し、現在にいたっています。
●茶巾すしの由来
京樽は、昭和7年(1932)京都の下京区河原町で割烹料理の店として産声をあげました。創業者田中四郎は、奈良生駒山の聖天さま(大聖歓喜天)を信仰し、昭和13年に京料理とふぐの料亭(人形町)を開いて東京に出てきてからも、浅草にある待乳山(まつちやま)の聖天さまへの参詣を欠かすことはありませんでした。その聖天さまの御紋章が『二股大根』と『巾着(砂金袋)』で、この見慣れた巾着の形から思いついて創案したのが『茶きん鮨』。以来半世紀以上にわたって皆様に愛され続けています。というわけで、茶きん鮨には美味しさとともに、聖天さまの功徳、縁起のよさ、幸せを願う心も込められているんです。