日本の各地で生産されていた蕎麦ですが、「文化」として確立し、生活に根付いていったのは江戸時代と言われています。この時代、蕎麦を啜る（すする）ことを、「蕎麦を手繰る（たぐる）」と呼んでおり、食べ方一つとっても「粋」を見出す風潮がありました。

その象徴として、10代目金原亭馬生が落語『そば清』で、江戸っ子が「一度でいいから蕎麦をつゆにたっぷりつけて食ってみたかった」と言い残す場面があり、江戸っ子はさっとつけて啜り込むのを粋としていたことを表現しています。

 その昔、庶民が親しみながら、「粋」を楽しんでいた蕎麦屋がそうであったように、川上庵でもお客様がいつでも気軽に立ち寄っていただけるような店作りを料理・空間・サービスで表現していきます。

川上庵では、厳選された旬の食材を使い、本来の味を大切に調理をしています。新鮮な野菜を使い、シンプルなドレッシングで味付けされた「温野菜のサラダ」、信州産大豆を使い丁寧に作られた豆乳を使った風味豊かな「豆腐」、だし汁で大根をじっくりと煮込んだ「ふろふき大根そば味噌のせ」など、さりげなくも確かな、川上庵ならでは料理は、必ずやご満足して頂けるものと思っています。