店声仁語−2− ( 2001.4.〜2001.8.)

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★高原の星空とは比べられないが、東京の夜空にも星がきれいに見えるときがある。夕立に洗われ、風に吹かれた晴れた空を見上げると、意外と東京の星空もすてたものではないなぁと眠れぬ夜空を見上げていた。こと座、はくちょう座、わし座、細かい星座の形までは見えないが、一等星のベガ、デネブ、アルタイルが作る夏の大三角形ははっきりと見える。おとめ座のスピカはもう西の空に沈んだかな、さそり座のアンタレスの赤い光、あれは何かなと星座の本を引っぱり出してビール片手に夜空を見上げるオジサン 、「星のオジさま 」絵になりませんか。若い日の山歩きの、夜空を流れる天の川をはじめて見たとき、星ぼしが空に描く流れが本当にあることに感動したものだが、都会の子供たちにもそんな星空を見せたいものである。 寒さを我慢しながら毛布に包まって子供と一緒に流れ星を待っていた しし座流星群、ふたご座流星群が懐かしい。見上げることも少なくなった夜空、皆さんも今夜見上げてみませんか。ほら、流れ星が・・・。

2001.8.20.


★長野県上田市の南に信州の鎌倉といわれる塩田平がある。夏休みの一日、 信州の古刹を巡ってきた。前山寺の三重塔、中禅寺の薬師堂、薬師如来は重要文化財。信濃デッサン館と姉妹館の無言館。
無言館は太平洋戦争で戦死した画学生の遺作を展示してある。戦争と言う悲惨な時代の中で、戦場でも絵に対する情熱を持ちつづけ描き続けた若き人たちの心が、 剥げかけた絵の具、破れかけたキャンバス、家族への黄ばんだ葉書や手紙をとおして、無言館の名のとおりに伝わってくる。若くして逝った無名の画家達の絵に涙するひとときだった。
塩田からすこし西、別所温泉にある安楽寺の八角三重塔は国宝、北向観音堂、薬師堂、常楽寺の石造多宝塔 を見て、氷イチゴで一息。 大法寺の三重塔は見返りの塔と呼ばれるほど美しく、国宝。信州の山里にこれほど素晴らしい塔が幾つも作られたのは何故だろう。前日の山歩きから一転しての古刹めぐりに、中三の息子は少しガックリ、「もうお寺はいいよ」。このあと長野の善光寺にも 世尊院の寝釈迦像もお参りしてきました。北野美術館、信濃美術館、東山魁夷館にも 。
どこも皆それぞれに印象的ですが、特に無言館はお薦めです。

2001.8.8.

前山寺
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★メンズカジュアルのメーカー、鰍うたりーぐるーぷ(小林恒徳会長)は、展示会を見に来た専門店に経営標語をプリントして配布している。私のところとは取引がないのだが、いろいろとご案内を頂き標語のプリントも送られてくる。今回の標語をご紹介します。

人に接する時は
  春の温かい心で


仕事をする時は
  夏の燃える心で

考える時は
  秋の澄んだ心で

 

 

自分に接する時は
  冬の厳しい心で

      春と冬が逆の人、時々見かけませんか。

2001.7.

 


★最近のアメリカって変だと思いませんか。京都議定書を否定したり、新しいミサイル防衛網と、それに関連してABM制限条約からの一方的離脱、そしてCTBT包括的核実験禁止条約の死文化etc.。国益優先とは言え世界を敵に廻して驕り高ぶっている、地球を我物顔に自己中心に威張りくさっている、そんな感じがしませんか。自分で作った仮想の亡霊に怯えてびくついている政府、黙っている国民、何故か最近そんなアメリカが嫌いになってきました。全ての人類の知的資源であるべき自然にまで特許をとり権利を主張するようなのが法的先進国でしょうか。知識の歪みを感じてなりません。

2001.7.

 


★小泉さんのメールマガジンは200万以上の発行だそうだが、I .T、I .T.と言われるほど皆に浸透しているのだろうか。麻布十番商店街でも 「麻布インフォステ−ション」 なるものがオープンして一ヶ月、多くの商店にパソコンが導入されたが、どれだけの商店がインターネットに接続し、パソコンを生かして使っているかはなはだ疑問である。(身内の恥の内部告発のようですが 、大方がただの箱状態だと思います。)

ある地方都市の本屋さんでの会話。
    「メルマガください」
    「うちでは取り扱っていないんですよ」
    「今日発行って聞いたんだけど・・・」

どこにでもありうる会話ではないでしょうか。商店の片隅にパソコンがほこりをかぶって置かれているのが見えるようです。ハードだけ配られてもソフトを生かせない。ハードよりハートが大切ですよね。

2001.6.30.

 

★うれしい一日でした。お店に入ってきた若い OLが二人、あとから一人、

 「ホームページを作っているローリエさんですか?」
 「青山で勉強会を開いている OLなんです。時々ローリエさんのページ見ています」
 「ダウンロードした地図、持っていますよ。とてもわかりやすいし、 BBSにも すぐ返事されているし ・・・」 

 うれしくなって、お店の奥のごちゃごちゃした舞台裏、私のホームページ制作工房まで見せてしまいました。いろいろお話したかったのですが、こんな時にかぎって来客で忙しくなるんですね。でも、ほんとうにうれしくなりました、年がいも無く。カウンターが動いているから、どこかで誰かが見ていてくれる、それだけでもうれしいものですが、見てくれた人が訪ねて来てくれたなんて、です。

すすきとお日さま   金子みすゞ

・・・・・もうすこし、
・・・・・もうすこし。
すすきはせいのびしています。

あまりてられてしおれそな、
白いやさしいひるがおを、
どうにか、かげにしてやろと。

・・・・・もうすこし、
・・・・・もうすこし。
お日はぐずぐすしています。

まだまだかごは大きいに、
あれっぽちしかようからぬ、
草かりむすめがかわいそで。

 OLがお日さまみたいでした。「じゃ、ローリエさんは草かりむすめ?」。いいえ、永田町の変人ならぬ、麻布十番の変仁!かな。

2001.6.22.

 


★我が家は職住近接、通勤時間 30秒。6Fが自宅、1Fがお店です。 10時 30分開店ですから、昼食は少し遅めでいつも2時過ぎに6Fで作って奥さんがもってきてくれます。ところが今日は2時半になっても奥さんが下りてきません。インターホンで6Fに

「お昼、まだ?」
「今、食ってるところ!」
「エッ!」
「だから、今、作っているところ!」

ちょっとびっくりしました。「つ」が聞こえなかったんです。

2001.5.15.

 


蛙イラスト★「がま池」と言うとなんだか蛙が沢山出てきそうな感じがしますが、明治の頃は5000坪もの広い庭園の中の500坪もある大きな美しい池だったそうです。今は、周囲に住宅が建ち池の広さも狭くなりましたが、麻布七不思議の一つとして広く知られています。もともと私有地でしたからマンションが建ち池が見られなくなって久しかったのですが、そのマンションの建て替えで今度は池が埋められてしまうおそれが出てきました。静かな住宅街に、歴史的資産でもある池を埋めてまでマンションを建て利潤を求める企業の姿勢に疑問を感じませんか。その会社の関係者の方々にもお子さん、家族の方々がいらっしゃると思うのですが、「ここにあったがま池はお父さんの会社が埋めてマンションを建てたんだヨ」って言えるでしょうか。それより、「このがま池は、お前たち子供たちのために、皆のために残すように会社と交渉して残ったんだよ」と言えるお父さんがその会社の社員にはいないのでしょうか。より条件のよい土地との代替を狙っての演技だとしたら、情けない会社ですね。企業としてのフィランソロフィー、社会還元を何も考えたことないのでしょうか。再開発が社会還元だと思っているとしたらとんでもない間違い、余計なお世話ではないでしょうか。多くの方々が保存の運動を行っていますが、ホームページでも署名ができます。貴重な歴史的資産、自然湧水を皆の力で守りたいものです。「麻布山の水系を守る会」のページで署名ができます。ご協力下さい

2001.5.10.

 


★TVステラの今週号(4・28〜5・4)、NHKの室町澄子アナウンサーがエッセーの中できみちゃんのことを書いて下さいました。昨年末に放送した「深夜便」の取材に訪れた麻布十番の様子、そしてきみちゃんのことチャリティーのことです。何よりも多くの人にきみちゃんを知ってもらいたい、そして、ユニセフのこと、1日に4万人もの子供たちが亡くなっている事実を知ってもらいたい、その思いで室町アナに感謝。
子供の日、連休を楽しむ子供たちの幸せを祈ってやみません。

2001.4.25.

 


折り紙 靴★不自由な目で小銭を探し、お釣りの無いように心遣いをして買物を済ませると、その年配の女性は「NHKのラジオ深夜便」を聞きましたと言った。昨年末に放送されたラジオ深夜便、室町澄子アナの「東京ぶらり旅」で赤い靴の女の子「きみちゃん」のことを話した私のインタビューを聞いてのことだった。折り紙で赤い靴を折りましたと、やはり折り紙で作ったピンクの箱をあけて小さな赤い靴を見せてくれた。「これ、プレゼントします」。深夜 1時過ぎの番組を多くの人が聞いていて、何人も知人から「聞きましたよ」といわれたことに驚いていたが、あれから 4ヶ月もたって思いもしないプレゼントに本当に嬉しくなりました。不自由な目で一生懸命折って下さった赤い靴をお店のウインドウの真中に飾りました。
 夜、きみちゃんの貯金箱の浄財を預りに行くと、そこにも折り紙の赤い靴が置かれていました。ありがとうございます。お名前も聞きそびれましたが、お元気でお過ごしください。

2001.4

 
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