★根岸の里に「子規庵」を訪ねてきました。正岡子規の住居を残したものです。木造平屋の粗末な家ですが、どこか懐かしく温かな感じが心に残りました。子規の句といえば
「柿くへば 鐘が鳴るなり 法隆寺」
これくらいしか思い浮かばないのですが、ガラス戸を通して見える庭の糸瓜の棚にさがる大きな糸瓜が印象的でした。明治35年9月19日、へちまを詠んだ三句を残して35歳でなくなった子規の命日は「へちま忌」と呼ばれているそうです。
絶筆三句
「糸瓜咲て 痰のつまりし 佛かな」
「痰一斗 糸瓜の水も 間にあはず」
「をととひの 糸瓜の水も とらざりき」
病苦の中で書かれた直筆の書、すごいなぁ です。「子規庵」を残すために子規庵保存会財団法人が認可されたのは昭和3年7月だそうだ。大戦で焼失した子規庵は寒川鼠骨等によって昭和25年6月に再建され、昭和27年には都文化史蹟に指定されています。すごいなぁ です。その子規が昨年野球殿堂入りしているのをご存じでしょうか。子規は30以上もの沢山のペンネームを使っていたそうです。その中の一つに「野球」というのがあります。子規の本名「升・のぼる」を好きな野球にかけて、「野(の)球(ぼーる)」としたのだそうです。なにか温かな親しみを感じるエピソードですね。もうすぐ「へちま忌」です。一度子規庵を訪ねてみませんか。JR鶯谷から徒歩10分ほどです。(台東区根岸2-5-11
03-3876-8218 )